介護職必見!腰痛を予防・改善するための具体的な身体の使い方と、モチベーションを劇的に上げるマインドセット
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夜勤明け、腰に手を当てたまま更衣室へ歩く。あの感覚を知っている介護職の人は、たぶん少なくないはずです。
私もそうでした。職場は女性職員が多く、「腰が痛い」と言い出す勇気もなくて、湿布と痛み止めでなんとなくごまかし続けていた。趣味のサッカーも、いつのまにか諦めていました。
この記事では、そんな私が腰痛とどう向き合い、何を変えたのかをまとめます。「正しい持ち上げ方10選」のような一般論ではありません。明日から効く具体的な身体の使い方と、それを続けるためのマインドセット。読み終わる頃には、自分で手を打てる感覚を持って帰ってもらえるはずです。
介護職の腰痛を予防・改善するいちばんの近道
先に結論を言います。腰痛対策のいちばんの近道は、力を入れる介助から、力を抜く介助へ切り替えること。そして、痛みになる前の違和感に気づくことです。
意外に思うかもしれません。腰痛対策というと、筋トレで腹筋や背筋を鍛えるとか、コルセットで固めるとか、そういうイメージが強い。でも私がたどり着いた答えは逆方向でした。
腰痛の正体は「力で抑え込もうとする身体の使い方」
考えてみてください。腰を痛めるのは、たいてい力で何とかしようとした瞬間です。利用者さんを持ち上げるとき、ベッドから車椅子へ移すとき。無意識に全身を力ませて、腰だけで踏ん張っている。
力を入れること自体が悪いわけではありません。問題は、抜くべきところで抜けていないこと。常に力みっぱなしの身体は、衝撃を逃がせず、負担がぜんぶ腰に集まってしまうんです。
対策は「脱力」と「違和感の早期発見」
つまり打つ手はシンプルです。ひとつは脱力。力を抜ける身体をつくること。もうひとつは違和感の早期発見。痛くなってから対処するのではなく、その手前のサインで気づくこと。
この2つを軸に、まずは身体の使い方から具体的に話していきます。
具体的な身体の使い方「脱力」で腰を守る
ボディメカニクスを押さえても、なぜ腰は痛むのか
介護の現場にいる人なら、ボディメカニクスやポジショニングケアは研修で一度は習っているはずです。重心を低く、支持基底面を広く、てこの原理を使う。利用者さんの身体をまとめてから動かす。基本としては、もちろん大事です。ここでその詳細を繰り返すことはしません。
問題は、その基本を守っているつもりでも腰が痛むこと。私がまさにそうでした。手順は知っている。でも痛い。
なぜか。理由は、いざ介助という瞬間に、身体が力みっぱなしになっていたからです。正しい型を頭で覚えていても、本番で全身がガチガチに固まっていたら意味がない。基本の型より手前に、「力を抜けているか」という土台の問題があったんです。
「脱力」を鍛えるトレーニング
そこで大きな転機になったのが、中野崇さんの『最強の身体能力 プロが実践する脱力スキルの鍛え方』(かんき出版)です。
それまで私は、ストレッチといえば「とにかく伸ばす」ものだと思っていました。痛気持ちいいところまでグーッと伸ばして、はい終わり。でもこの本を読んで、自分のやり方が根本からずれていたと気づきます。
大事なのは、伸ばすことより脱力できる状態をつくることでした。
この本で紹介されている脱力のトレーニングを取り入れてから、身体の感覚がはっきり変わっていきます。力を「入れる」練習はしてきたけれど、「抜く」練習はしたことがなかった。やってみると、自分がいかに常時力んでいたかがわかります。脱力を覚えると、移乗のときに腰だけへ集中していた負担が、少しずつ全身へ散るようになっていきました。
筋肉を増やすより前に、まず余計な力みを手放す。これが私には効きました。
痛みになる前の「違和感」を拾う習慣
脱力を意識するようになると、もうひとつ変化が起きます。自分の身体に敏感になるんです。
以前の私は、痛くなってから湿布を貼っていました。つまり、もう手遅れの段階で対処していた。でも本当に大事なのは、その手前。「なんか今日、右の腰がちょっと張ってるな」というかすかな違和感に気づけるかどうかです。
力みっぱなしだと、この小さなサインに気づけません。常に身体が緊張しているから、ちょっとした変化が埋もれてしまう。脱力できるようになると、違和感が浮かび上がってくる。だから早めに休めるし、無理な動きを避けられる。湿布と痛み止めでごまかしていた頃の私は、自分の身体にただ鈍感だったんだと、今では思います。
回復する身体は食事でつくる
なぜ腰痛対策に食事が関係するのか
身体の使い方を整えても、まだ片手落ちでした。抜けていたのは、回復する身体をつくるという視点です。
きっかけは『眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話』(藤田聡 監修/日本文芸社)でした。
正直に言うと、それまで食事と腰痛が結びつくなんて考えたこともありませんでした。でもこの本を読んで、身体は食べたものから作り直されているという当たり前の事実が、急にリアルに感じられたんです。どれだけ身体の使い方を整えても、それを回復させる材料が足りていなければ、すり減る一方になる。
「続けられる形」に落とし込んだ私の食事
ここで私は最初、案の定やらかしました。「毎食たんぱく質を何グラム」と気負って、当然のように続かなかった。
だから途中でやめて、続けられる形に崩しました。朝に卵を一個増やす。コンビニならサラダチキンを一品足す。それくらいのゆるさです。ストイックな管理ではなく、「これなら明日も明後日もできる」というラインを探した。
完璧な栄養管理より、ゆるくても続く方が、結局は身体に効く。これは身体の使い方とまったく同じ構造でした。
モチベーションを劇的に上げるマインドセット
ここまで具体策を話してきました。でも、いちばん伝えたいのはここからです。どんな方法も、続かなければ意味がない。私が何度も挫折してきたからこそ、声を大にして言えます。
習慣を「固定化」しようとするから挫折する
私の失敗は、いつも同じパターンでした。「毎朝必ず10分ストレッチ」「腹筋を毎日」。立派なルールを作って、固定化しようとして、できない自分にがっかりしてやめる。
だから考え方を反転させました。習慣を固定化するのを、ゴールにしない。
ハードルを下げることは、サボることではない
10分のストレッチが続かないなら3分でいい。毎日が無理なら夜勤明けだけでいい。完璧な型を守ることより、細々とでも続いている状態の方が、はるかに価値がある。
ハードルを下げるのは、サボることとは違います。続けるための設計です。ここを履き違えて、私は何年も遠回りをしました。
学ぶこと自体が、続ける力になる
そして一番効いたのは、学ぶこと自体が面白くなったことでした。
最初は腰痛をなんとかしたい一心で本を手に取りました。でも読み進めるうちに、「なるほど、だから痛くなってたのか」「この動き、明日試してみよう」と、知ること自体が楽しくなっていった。義務でやるストレッチは続かないけれど、面白くてやりたくなることは続くんです。
不調を言い出せず、湿布でごまかしていた頃の私は、ただ痛みに耐える受け身の存在でした。今は違います。自分の身体を理解して、自分で手を打てる。この感覚が、何よりのモチベーションになっています。
そういえば最近、諦めていたサッカーにまた顔を出すようになりました。完全に元通りとはいきませんが、夜勤明けに腰へ手を当てる回数は、確実に減っています。
今日から、腰に手を当てる夜勤明けを終わらせよう
ここまで読んだあなたは、もう「ただ痛みに耐えるだけの人」ではありません。打つ手を知っています。
力を抜いて腰を守る。違和感を早めに拾う。回復する材料を食事で入れる。そして、どれも完璧を目指さず、続く形にする。難しいことはひとつもありません。明日の夜勤明け、まずは肩の力を抜いてみるところからで十分です。
その一歩を、もっと深く確実にしてくれたのが、私の入り口になった2冊でした。腰痛と本気で向き合いたいなら、手に取って損はありません。
➤ 中野崇『最強の身体能力 プロが実践する脱力スキルの鍛え方』(かんき出版)
➤ 藤田聡 監修『眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話』(日本文芸社)
そして、ここに至るまでのリアルな体験談は、こちらのnote記事に書いています。同じように夜勤明けの腰に悩んでいるなら、きっと共感してもらえるはずです。 →「腰痛で諦めた趣味も仕事への情熱も、たった二つの気づきで戻ってきた」

